チャペル結婚式とは?式の流れ・費用・演出などを解説!

公開日:2024/10/11
チャペル結婚式

結婚式にはさまざまなスタイルがあります。そのなかでも、神秘的な雰囲気を体感できるチャペル結婚式に憧れを持つ方も多いのではないでしょうか。

チャペル結婚式といえば、純白のウェディングドレスを着てバージンロードを歩くといった演出が一般的ですが、近年は個性的な演出も増えてきています。今回は、チャペル結婚式について、流れや演出、費用を徹底的に解説していきます。

チャペル結婚式とは?

チャペル結婚式とは、キリスト教に古くから伝わる習わしを取り入れた結婚式のことです。キリスト教における挙式は、礼拝の一つであり、人生の節目を祝う通過儀礼として大切に扱われています

キリスト教には、大きく分けて「カトリック」と「プロテスタント」の2種類があります。宗派によって挙式を行うための条件があるため、違いを理解しておきましょう。

カトリックの場合は、新郎新婦のどちらかが信者であることと、初婚であることが挙式の条件と定められています。挙式を進行するのは「神父」であり、バージンロードは赤か緑が一般的です。

一方、プロテスタントの場合は、信者でなくても挙式が可能となっています。式を進めるのは「牧師」であり、バージンロードの色は清楚な白と決められています。

結婚式場やホテルなどに併設されているチャペルは、プロテスタント式を採用していることがほとんどです。

チャペル結婚式の魅力

チャペル結婚式の魅力は、なんといってもウェディングドレスでバージンロードを歩けるということではないでしょうか。神聖な空間の中で永遠の愛を誓うことに憧れを持つ方も多いでしょう。

また、チャペルは比較的収容人数が多いため、多くのゲストに見守ってもらえる点も魅力の一つです。友人や親せきなど、大切なゲストから祝福してもらえるのは、至福の体験です。

もちろん、チャペルならではの厳粛な雰囲気は、少人数での結婚式にも最適です。ゲストの人数に関係なく対応可能となっています。

チャペル結婚式の演出例

チャペル結婚式は、伝統を重んじた通過儀礼としての側面を持ちますが、近年は自分たちらしい個性を取り入れた演出も人気を集めています。定番のバージンロードやペールダウンのほかにもオリジナリティあふれる演出を紹介していきます。

バージンロード

チャペル結婚式といえば、バージンロードを歩く演出が定番です。バージンロードは和製英語であり、英語では「ウェディング・アイル」と呼ばれています

チャペルの扉から祭壇までをつないでいます。カトリックの場合は赤か緑であり、プロテスタントの場合は純白と定められています。

なお、近年は生花を飾ったり、リボンやレースで彩ったりといった工夫を凝らす挙式も増えてきています。

ベールダウン

ベールダウンもチャペル結婚式ならではの演出です。ウェディングドレスのベールは「邪悪なものから花嫁を守る」という役割を担っています

ヨーロッパのとある地方では、結婚式会場に向かう道中に新婦が悪魔にさらわれてしまうという伝承がありました。白いベールは、そんな悪魔から身を守るための重要なアイテムとされています。

ベールダウンは、花嫁の母親によってベールを下ろす演出です。挙式の前に花嫁の控室で行うのが一般的ですが、式場によっては入場の際にゲストの前で行うこともあります。

身支度の仕上げであり、大切な新婦の幸せを願って行われます。

フラワーシャワー

チャペル挙式を終えた二人を迎える演出がフラワーシャワーです。教会から出てきた二人が花道を歩く際に、ゲストが花びらを撒いて祝福します

ゲストとの一体感を感じることができ、お祝いの気持ちを直接受け取れることでしょう。フラワーシャワーには「花の香りで清め、幸せな結婚をねたむ悪魔から守る」という想いが込められています。

近年は、生花だけでなく、羽毛を使った「フェザーシャワー」やシャボン玉を使った「バブルシャワー」なども人気が高まっています。そのほかにも、天井から風船が舞う「バルーンシャワー」などの演出もあります。

二人のオリジナル演出を取り入れるのも良いでしょう。大人はもちろん、小さなお子様でも楽しみながら参加できる点が魅力的です。

ブーケトス

挙式後の演出としては、ブーケトスも人気があります。集まってくれたゲストに対して、花嫁がブーケを投げる演出です。

見事ブーケをキャッチした女性は、近い未来に結婚できるというジンクスがあります。「幸せのおすそ分け」ともいわれています。

由来は諸説ありますが、14世紀のイギリスの風習から始まったとされています。欧米発祥の演出であることから、チャペル結婚式にぴったりの演出と言えるでしょう。

また、近年は、ブーケトスの代わりに「ブーケプルズ」という演出も注目を集めています。ブーケプルズとは、花嫁が持つブーケの先にリボンをつなげて、ゲストに引いてもらう演出のことです。くじ引きのようなドキドキ感で盛り上がることでしょう。

リングリレー

リングリレーは、ゲスト全員が参加できる演出です。新郎新婦につながったリボンに結婚指輪を通し、リレー形式で運びます。

年齢問わず参加することができ、会場全体が幸せムードに包まれます。運ぶ方法はリボンだけでなく、バスケットを使うケースもあります

ゲストが多い場合には、リングに風船をくくりつけて浮かせるのもおすすめです。リングの現在地が把握しやすいので、ゲスト全員が盛り上がります。

リボンワンズ

リボンワンズとは、スティックの先にリボンを取り付けたアイテムをゲストに配り、新郎新婦を出迎えてもらう演出のことです。フラワーシャワーの代わりに行うケースが増えてきています。

フラワーシャワーは、花びらを撒くことから後片付けが大変ですが、リボンワンズであれば片付けが不要となっています。そのため、会場を選ばずに実施することができます。

また、リボンにメッセージを書き込める点も魅力的です。ゲストに対するおもてなしとして取り入れるのも良いでしょう。リボンのカラーや素材選びによって、二人の個性をアピールできます。

チャペル結婚式の流れ

チャペル結婚式の所要時間は、20~30分ほどです。式の進行は牧師もしくは神父が担当するため、すべての流れを覚えておく必要はありませんが、ある程度の流れを把握することで演出に役立てることができます。本項目では、プロテスタント式のチャペル結婚式の流れを紹介します。

ゲスト入場

まずは、ゲストが入場します。祭壇に向かって、右側に新郎のゲスト、左側に新婦のゲストが着席します。

前から父母、兄弟姉妹、親族、友人の順で座ります。

開式の辞

式の進行を担当する牧師によって、結婚式の開会が宣言されます。

新郎入場

先に、新郎が入場します。ゲストは全員立ち上がって迎え入れます。入場した後は、祭壇の前で新婦の入場を待ちます。

新婦入場

新婦は父親にエスコートされながら入場します。バージンロードを歩いて新郎の元へと向かいます。

祭壇の前で、父親から新郎へとバトンタッチします。

讃美歌斉唱

新郎新婦、ゲストの全員で讃美歌を歌います。

聖書の朗読と神への祈り

牧師が聖書の中から結婚にまつわる教えを朗読します。そして、神に祈りを捧げます。

誓いの言葉

牧師が二人に愛の誓いを確かめます。「病めるときも、健やかなるときにも、愛を持って互いに支え合うことを誓いますか」と尋ねるので、新郎新婦ともに「誓います」と答えます。二人が答えることで、誓いが成立します。

指輪の交換

二人の誓いの証明として、指輪の交換を行います。新郎から新婦へ、新婦から新郎への順番で指輪を相手の薬指にはめます。その際に、リングガールやリングボーイといった演出を取り入れるのもおすすめです。

ベールアップ・誓いのキス

新郎が新婦のベールを挙げて、誓いのキスを交わします。ベールアップによって「二人を遮る壁がなくなり、一つになる」という意味が込められています

結婚証明書にサイン

二人が夫婦になったことを牧師が宣言し、新郎新婦は結婚証明書にサインします。その後、証人もしくは牧師がサインします。

閉式の辞

二人の結婚が成立したことを牧師がゲストに宣言し、閉式となります。

新郎新婦退場

ゲスト全員で再度讃美歌を歌います。新郎新婦は腕を組み、参列者に祝福されながら退場します。

参列者退場

新郎新婦の退場を見送った後、参列者は披露宴会場へと移動します。なお、フラワーシャワーなどのセレモニーが用意されている場合は、準備に入ります。

祝福セレモニー

フラワーシャワーやバブルシャワーなどで二人を祝福します。式場の階段を使って行う場合には、開放感があって写真映えします。厳粛な式ではありますが、演出次第で二人らしい個性をアピールすることができます。

チャペル結婚式にかかる費用

チャペル結婚式は、キリスト教の儀式に則って行われる伝統的なスタイルの挙式です。定番のスタイルではありますが、さまざまな演出を取り入れやすい点が魅力的です。

チャペル結婚式に憧れを持つ新郎新婦が気になるのは、費用ではないでしょうか。「結婚スタイルマガジントレンド調査2018」が行った調査によると、チャペル結婚式にかかる費用の平均は33万6,000円となっています

スタイルを問わず挙式にかかる平均費用は30.8万円なので、チャペル挙式は他のスタイルに比べて少し高いことが分かります。費用の内訳としては、挙式料・装花・生演奏・結婚証明書となっています。

挙式料は式場によって異なります。装花は7万円ほど、生演奏は4万5,000円ほど、結婚証明書は5,000~1万円ほどが相場です

なるべく費用を抑えたいという方は、平日などの費用が安い日程を選ぶことやチャペルの装花はお任せにするなどの工夫を凝らすことで節約できるでしょう。なお、演出内容によっては追加費用が発生することもあるため、ゲストの人数を踏まえて予算を組むと良いでしょう。

チャペル結婚式の会場選びのポイント

チャペル結婚式の会場は、二人の永遠の愛を誓う大切な場所です。一生の思い出になるため、式場選びは慎重に行いたいものです。本項目では、式場を選ぶ際に押さえておきたいポイントを3つ紹介します。

ロケーション

結婚式においては、写真撮影を重視する方も多いのではないでしょうか。カメラマンはもちろん、ゲストが撮影した写真も一生の思い出になることでしょう

チャペルに関しても、会場によって多彩なレイアウトを取り入れています。たとえば、外の景色を絵画のように切り取ることのできる窓ガラスの縁やステンドガラス、彫刻など、会場によってさまざまです。

また、会場を取り囲むロケーションもそれぞれ異なります。自然豊かな緑に囲まれた会場や潮風を感じられる海辺の会場などもあるでしょう。

式場を選ぶ際には、自分たちの思い描くイメージに合っているかどうか確認しましょう。チャペル結婚式だけでなく、披露宴や会食を予定している場合には、ゲストが移動しやすいかどうかも考慮して選ぶと良いでしょう

なお、ロケーションを確認する際には、写真撮影の対応についても合わせて確認しましょう。会場によっては、外部のカメラマンによる撮影は認められないこともあります。専属のカメラマンに限るといった制限を設けていることもあるため、あらかじめ確認しておくと安心です。

ゲストの人数

式場によって、収容人数はさまざまです。チャペルは比較的大人数でも受け入れられることがほとんどですが、参列者が収容人数を超える場合には、全員が着席できない事態になることもあります。すべてのゲストがゆっくりと落ち着いて過ごせるように、参列者数に合った式場を選ぶようにしましょう。

また、ゲストが多い場合には、祭壇の高さにも注意しましょう。広い式場を選んだとしても、祭壇の高さが低いと後ろの方に着席している友人から見えない可能性があります。参列してくれたゲスト全員に気を配ることで、満足度の高い結婚式となるでしょう。

演出

前述した通り、チャペル結婚式では多様な演出を取り入れることができます。伝統を重んじた結婚式を希望するのであれば、聖歌隊や生演奏による演出がおすすめです。

また、経験豊富な式場であれば、フェザーシャワーやリボンワンズといったトレンドの演出も可能でしょう。ただし、式場の設備によっては、大掛かりな演出が難しいこともあります。

式場選びの際には、希望する演出に対応しているかどうか、どのような設備があるか確認しておくと安心です。ゲスト参加型の演出が可能であれば、ゲストも楽しめることでしょう。

ドレスの種類

ウェディングドレスのイメージが固まっている場合には、ドレスと式場の雰囲気がマッチしているか確認しておきましょう。とくに、ロングトレーンのドレスを着たいと考えている場合には、バージンロードの長さを考慮する必要があります。

また、ボリュームのあるプリンセスラインのドレスに憧れている場合には、開放感あふれる天井高の高いチャペルがおすすめです

チャペル結婚式で気をつけたいマナー

厳粛さが魅力のチャペル結婚式ですが、気をつけるべきマナーが5つあります。それぞれ紹介します。

チャペル結婚式のことを理解する

チャペル結婚式は、元々キリスト教の神聖な礼拝の儀式です。そのため、儀式としての意義を理解し、当日も心に留めておきましょう。

とくに、実際の礼拝に使われている教会の場合、信者にとっての大切な場所でもあります。教会のことを理解することで、結婚式への思い入れも深くなることでしょう

挙式料は献金として用意

街の教会で挙式を行う場合、ビジネスとして行われていません。そのため、挙式にかかる費用は、献金として用意する必要があります。

献金とは、信者が自主的に捧げるお金のことを指します。教会によっては金額が定められていないこともあるため、事前に担当者に確認しておきましょう。その上で、招待状に書き添えることをおすすめします。

服装は控えめに

チャペル結婚式においては、ゲストの服装は控えめが基本となっています。たとえば、肩を出したり、華美なアクセサリーなどを身につけたりすることは望ましくありません

ゲストによってはノースリーブのドレスを着用する予定の方もいるかもしれませんが、ショールやジャケットの着用をお願いしておくと安心です。

撮影禁止のケースもある

チャペルによっては、写真や動画の撮影をお断りしていることもあります。また、撮影が認められている場合に関しても、プロのカメラマンもしくは特定の人物のみ、決められたエリアで撮影可能というケースもあります。せっかくのチャペル結婚式なので、撮影したいと考えている場合には、あらかじめ担当者に確認しておきましょう。

ゲストはバージンロードに立ち入らない

チャペルのバージンロードは、結婚式において特別な意味合いを持ちます。そのため、ゲストは原則立ち入らないことがマナーとされています

万が一、ゲストが立ち入っている場合には、そっと声をかけると良いでしょう。スタッフに指示して、ゲスト席への移動を促しましょう。

まとめ

今回は、チャペル結婚式について、式の流れや演出、費用などを解説しました。チャペル結婚式とは、キリスト教の儀式を取り入れた結婚式のことを指します。

キリスト教には、大きく分けて「カトリック」と「プロテスタント」の2種類がありますが、ホテルや結婚式場に併設されているチャペルはプロテスタント式を採用していることがほとんどです。人生の節目を祝福する通過儀礼として、大切に考えられています。

チャペル結婚式にかかる平均費用は、約30万円となっています。ただし、演出の内容によっては、前後することもあります。

参列者の人数を踏まえて、予算計画を立てましょう。本記事が参考になれば幸いです。

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